山岳景観
山岳のタイプ
・高山大嶽(こうざんたいがく)
・神奈備山(かんなびやま)
・端山(はやま)
・水分山(みくまりやま)
・国見山(くにみやま)
・日和山(ひよりやま)
見え方による山の分類
・構造山:地形的な独立峰
・構図山:ある視点から独立峰に見える
「高山大嶽」とは
高く大きい山で、地形構造的に周辺から抜きんでている(構造山)。噴気などの火山活動、火口湖、池塘、岩場、冠雪、花畑など、自然の畏怖や他界を感じさせる道具立てがそろっている。遠くから眺められるため、端山が集落単位の信仰の山であるのに対し、広範囲の信仰を集める。神の宿る聖山、死者霊の集まる霊山に分けることもある
「池塘」とは
泥炭地の中にある小湖沼
「神奈備山」とは
里にあって森に覆われ、二等辺三角形の緩やかで端正な山容を見せる神体山。里からの見えが独立峰であればよく、地形的に山の肩衝や尾根の一部でもかまわない(構図山)。大和朝廷の勢力圏に見られる
「端山」とは
神奈備山が大和朝廷の官の里山とすると、端山(葉山、羽山、麓山)は民の里山。山の端に位置し、集落から印象的に眺められる。構図山
「水分山」とは
稲作に不可欠な水を与えてくれる山で、里から立ち上がる。大和朝廷により雨のコントロール装置として置かれた水分神社とセットの山で、手前の水田と一体で認識され、日本人の原風景の典型例となっている
「国見山」とは
権力者が国の様子を山頂から眺めるという、大和朝廷由来の山。平地に小高く立ち上がる独立峰が典型である
「日和山」とは
航海の安全のため日和(天候)を見る山。湊に接して海を眺める適地に存する。入り船のランドマークでもあり、山頂に巨樹を撫育したり、常夜灯を置くなどして山を強調することが多い。漁村では神社も置かれ、豊漁と安全が祈願される
名山
・意味名山:由緒ある著名な山
・構造名山:地形的に美しい山
・構図名山:ある視点から美しく見える山
山アテ
・街路の山アテ:景観的な意味付け
・海上の山アテ:位置同定手法