心象と視覚像
「心象(イメージ)」とは
過去の経験に基づく視覚情報が記憶されて心的にひとつにまとめられたものであり、印象に残りやすい断片的な要素の集積による復元物
市民が描く都市の心象の根幹をなすエレメント(ケヴィン・リンチ)
・パス(道路、鉄道などの交通路)
・ノード(交通の結節点)
・ディストリクト(まとまった領域)
・エッジ(河川、海岸などの領域区分線)
・ランドマーク(際立った目印)
「視覚像」とは
「心象」が記憶によって構成されるのに対し、対象を目前にしたときに眼球を通して得られる像を「視覚像」という
対象を目前にしたリアルな視覚像
無数に明滅する網膜像を素材とした記憶作用によってすばやく復元統合された像
操作論的景観論と心象/視覚像
構図論や景観ディスプレイ論は主として視覚像をもとに展開するのに対して、公園や都市などの空間的な広がりをもった対象に対しては視覚像と心象の両方を手がかりとする
操作論的景観論とイメージ論
各エレメントが個別にも印象に残るとともに相互に関連づけられてパブリックイメージが明瞭に組み上げられることが、優れた都市の条件とされる。そうした観点から計画や設計を吟味することが操作論的景観論の課題となる