錯視と奥行感
「錯視」とは
物理的事実と心理的事実が異なり、誤った見え方がなされる現象。対象が複数存在するとき、対象が周囲の他の対象の影響を受け、単独で存在するときとは異なった見え方をする
錯視について計画者に求められること
景観が視角を基礎とした心的現象であることを考えれば、錯視による心理的事実を尊重することが求められる。計画者は錯視現象を見きわめ、むしろ逆用することによって景観的秩序を保とうとする姿勢が求められる
奥行感の必要性
奥行感のない景観は平板な印象のつまらないものとなりがちであるため、奥行感の有無は重要である
奥行きを感じる手がかり
視点と対象の関係による直接的手がかり
・水晶体調節(レンズのピント合わせ)。約2メートルまで
・両眼輻輳(両眼への光線のなす角度)。約20メートルまで
・両眼視差(左右の網膜像の差異)。一般に600メートル以上になると弁別できなくなる
間接的手がかり
・視対象の見えの大きさによる判断(大きさが既知の場合)
・視対象の直線的遠近(パース効果)
・視対象の重なり
・視対象の明瞭さ(空気遠近法)
・陰による凹凸
・視対象の肌理の密度勾配
・視対象の相対運動